やまたく様から
デイブレイク(バレンシア)に関する使用レポートを頂きました。(2016.2.7 UP)


車名 H21年式デイブレイク バレンシア

 カムロードベース・ガソリン・2WD

使用期間 2015年8月~

ハンドルネーム やまたく

趣味 スキー

【デイブレイクに出会うまで】

18歳で免許を取得して、しばらくはステーションワゴンに布団を積んで温泉めぐりをしていました。多い時には年間25,000km位走り回っていました。

27歳の時に1BOX車に乗り換えて、布団を積んで遊びに出かけてました。同時期にキャンピングカーに興味を持ち、ショーやショップを回って色々と話しを聞いていました。その中でも特にマックレーのデイブレイクの完全自立型のコンセプトに惹かれました。渡邉社長とお話をさせていただくと、若造を相手でも、実体験にもとづいたアドバイスを頂けたり、色々な提案をして頂けました。当時は実体験に基づいて話をして頂けるビルダーさんが少なかったので、渡邉社長のお話は非情にわかりやすく、納得が行くものでした。

29歳結婚して30歳と33歳の時に子供が生まれてからも遊園地や冬のスキーも布団を積んで車中泊をしながら遊んでいました。今思えば、良く行っていたなぁと思います。スキーの車中泊では、朝起きると、窓の内側に氷がはっていましたから。

35歳の時に初めてのキャンピングカーを買いました。当時は駐車場の問題があり、残念ながらデイブレイクは購入できず、バンコン(ナッツRV社製のラディッシュ)を購入しました。家族で遊園地、スキー、キャンプと色々と出かけました。バンコンは走りも良く、長距離移動も普通車並みで良かったのですが、私のデイブレイクへの思いは消えませんでした。妻に内緒で色々と探しまわりH27年8月に中古車のH21年式デイブレイク バレンシアを購入することができました。

【バンコンでの苦労】

私がバンコンに7年半乗って苦労したことは、

 1.夏の暑さ

 2.ベットメイク

 3.電源の管理

 4.マルチルームがないこと

でした。

逆に、バンコンの良さは、走行性能でした。

【デイブレイクに乗り換えて】

デイブレイクに乗り換えて、バンコン時代の苦労がほとんど解決されました。

1.夏の暑さ→発電機とクーラーが解決

 私の車には床下発電機とルーフエアコンが搭載されています。私がバンコン時代に苦労した部分を解決してくれる非情に重要なアイテムです。

<床下発電機>

 床下搭載の発電機にこだわったのは、ガソリン車を選べば燃料が車と共有できること。つまり車の燃料があるかぎり発電機を稼働することができるということです。

デイブレイクのベース車のカムロードは80Lの大容量燃料タンクを持っています。このタンクを活用することで発電機への給油の手間が省けます。さらに搭載されている発電機は2.8kWと大容量ですので、冷房と電子レンジを同時に使用することができ、非常に便利です。

どこでも使えるか?というと使えない場所はあります。でも私の使い方では困ったことはありません。例えば、高速道路のSA・PAの駐車場、遊園地の駐車場、日中のキャンプ場(もちろん許可があるところのみ)、並びにスキー場の駐車場では不自由なく使用出来ています。

最近はサイクルバッテリーで動くエアコンシステムが出ていますが、バッテリーへのダメージを考えると、私はバッテリーでの使用をためらいます。バッテリーに大きな負担を掛けてエアコンを稼働させるわけですが、バッテリーが新品の状態で、且つその他の負荷をすべて停止した状態で数時間エアコンを使用するとバッテリーが空になるのは辛いですね。ディープサイクルバッテリーも空になるまで使うとリサイクル回数が大幅に少なくなります。半分~2/3ぐらい使ったら充電してあげるのが私は良いと思っています。

冷蔵庫、室内灯、FFヒーター、テレビなどの小電流はバッテリーにまかせて、クーラーや電子レンジといった大容量の電気を使うものに発電機を使っています。

私の車には電子レンジが搭載されており、且つ電子レンジはバッテリー駆動できるようにシステムが組まれていますが(前ユーザー様が改造されておりました。)、電子レンジを使うときには必ず発電機を回すようにしています。

<ルーフエアコン>

バンコン時代も夏場は大変苦労をしたので、車を乗り換えるに当たりルーフエアコンは必須アイテムでした。デイブレイクに搭載されているエアコンはよく効きます。風量調整が2段階しか無いので微風とはなりませんが、温度調節は可能ですので、冷えすぎ防止は可能です。

雑誌などで重量物を乗せると安定性に問題がでるとの話が乗っていますが、私が高速道路を法定速度内、一般道を法定速度+αで走行している限りにおいては、ルーフエアコンの重量により走行安定性を悪化していると感じることはありません。バンコンと比べてもコーナリングが極端に悪いとは感じません。そもそもキャブコンは1.25ton積のトラック車に架装をして総重量3ton近くありますので、キャンピングシェル架装の影響が圧倒的に大きく、走行中は特に風の影響を受けやすいです(後に採用したキャンサスで大幅に改善されました)。いずれにしてもルーフエアコンを搭載していることで走行性能が悪くなっているということは感じられません。

2.ダイネットを片付ける→バンクベットと2段ベットが解決

 我が家は私、嫁、小4、中1の4人家族です。子供が小さいうちはバンコンでもダイネットを片付けなくても何とか寝ることができていましたが、子供が大きくなるとそうもいかず、毎回ダイネットをベット展開していました。私のバンコンはFASPシートを利用したシートでしたのでヘッド展開するたびにヘッドレスを外す作業が発生して、結構めんどくさかったです。ダイネットのテーブルも幅方向の長さはあるけど奥行きが狭く、4人での食事は工夫が必要でした。

デイブレイクはバンクベットの広さ、高さともに十分に有り、子供2人と大人1人ならバンクベットでゆっくりと就寝出来ます。特にバンクベットの高さは素晴らしく体が硬くなってきた中年の私でも楽に乗り降りが出来ます。圧迫感も無く本当に寝心地が良いです。

リアの2段ベットも十分な幅があり、175cm、80kgと太い私でも普通に寝ることが出来ます。

3.電源の管理→発電機と自動充電器が解決、さらにソーラーパネル搭載でより快適に

 バンコンでは115Aのバッテリーを2個搭載しておりました。40L冷蔵庫、13インチテレビ、FFヒーター、マックスファンを積んでいました。冷蔵庫が十分に冷える温度に設定して、就寝前に1時間ほどテレビを見るような使い方で移動が少ないと2泊3日で1/3-1/4のバッテリーが余る位でした。ギリギリまで使えば3泊4日でも行けそうでしたが、バッテリーのダメージを考えると2泊3日が限界でした。

 一方、デイブレイクでは大きな電力を使うときには発電機を回して使用することで電気の心配がなくなります。発電機を起動させると充電器での充電が開始されるので、バッテリーの心配がなくなりました。車のガソリンさえ入れておけば電力不足からは開放されます。

4.マルチルームがないこと→十分な広さのマルチルーム

 カセットトイレも設置できる十分なスペース。外部とのアクセスドアを大きくしておくと、トイレの処理にも便利です。私はポータブルトイレを置いて使用しています。

【なるほどな部分】

デイブレイクはちょっとした工夫が満載。本当に使いやすい。その一端を紹介します。

1.バンクベットの転落防止

 バンクベットからの転落防止にネットを設置しているメーカーがありますが、デイブレイクはスライドバンクベットの縁の木の高さが少し高くしてあり、寝ていても安心感があります。ちょっとした工夫ですが、落ちる心配が大幅に軽減され、ネットがなくてもゆっくりと寝ることが出来ます。

2.変化する2段ベット

 私のデイブレイクは2段ベットをダイネットにすることも出来ます。さらにほとんどのパーツを取り外すことが可能で、大きな収納スペースの実現も可能です。今は2段ベットにしていて、上段を荷物置場に、下段が私の寝床になっています。圧迫感もなく、熟睡しています。

3.ナローボディー

 私のバレンシアは長さ499cm×幅192cm×高さ306cmのサイズです。長さもさることながら192cmの幅が取り回しにも走行安定性にも良い方向に働いていると感じます。バンコンは5mオーバーでしたので、キャブコンの方が小回りも聞き取り回しが楽です。ただし室内幅が180cm強しかありませんので、長身の方はワイドボディーにされることをおすすめします。

4.タイマーオフシステム

 発電機を使った後の冷却に活用できるタイマーオフシステムは便利です。クーラーを自動で停止させるタイマーにもなりますし、同時に発電機のクーリングにも使えます。タイマーオフシステムを使うと、車で休憩したらすぐに出かけられますので、非情に便利です。

【乗り味】

1.走る

 前車はハイエーススーパーロングベースでしたので、2700ccのガソリンエンジンで高速道路でも普通車と同様に走行出来ました。

さてさて、デイブレイクはというと、トヨタの1TRエンジン。

約2Lのガソリンエンジンで133ps・18.6kgf/mと排気量・出力共にハイエースには及びません。どれくらいの走りかというと、2気筒時代のダイハツミラよりも速く、最新のCVT式自然吸気の軽自動車よりも遅いというあたりかと思います。

非力とはいえ、平坦路ではスタート時1速2,500-3,000prm回せば迷惑にならない程度の加速をします。ただし、2,000rpm台ではトルクが少なくアクセルを踏んでも反応は鈍いです。元気よく走るには3,000rpm以上をキープする必要があります。ATは3・4速にロックアップ機能がついていて、早めにシフトアップするタイプです。ロックアップも粘りがあり、3速2,000rpmでもロックアップが掛かります(4速のロックアップは時速で65km/hを超えるとかかります。)。シフトダウンは積極的に行わない感じで、人が手動でシフト操作をしたほうが、気持よく走れます。上り坂では早めに3速に入れて3,000rpm台をキープするようにしています。ちなみにエンジン回転数は100km/hの時、4速で2800prm強です。ハイエースが4速100km/h時にエンジン回転数2400rpm位でしたのでギア比を下げて馬力の少なさをカバーしているようです。

非力(特に2,000prm台)とはいえ、エンジンの吹け上がりは良く3,000rpm台からはツインカムエンジン(古い表現ですが、)らしい良い音がします。4,000rpm強までが音質・音量ともにいい感じです。通常回すことはありませんがマニュアル操作をすれば1速6,000rpmまでしっかりと回ります。1速と2速のギア比が大きく離れていますので(これは4速AT共通で仕方ないところ)、一般道の峠では1速を5,000rpmくらいまでしっかり回してから2速に上げないと、2速でも加速しないことがあります。このあたりは排気量が2,000ccしかないので仕方の無いところです。

ちなみに長距離をおとなしく走ったときの燃費は8-8.5km/Lといったところです(ハイエーススーパーロング4WDのガソリンエンジンと同じ位の燃費です)。短距離で発電機を使うと5km/L台になることもあります。

2.止まる

ブレーキは思ったよりもよく効きます。デイブレイクは車重も軽いので良い効果をもたらしています。私の車の乾燥重量はF1250/R1300kgとなっております。総重量でも3000kgをわずかに切っております。すべての装備をつけた状態での重量ですので、フル装備のキャブコンに比べると軽量だと思います。ただしフロントホイールには多量のダストがツキますので、ブレーキ性能に余力があるわけではなさそうです。

3.乗り心地

これはトラックそのものです。私の車にはリアに増しリーフが入っていますので、リアはしっかりしています。ショックアブソーバーはノーマルです。バンクが設置されている関係でフロント荷重が増しており、常にフロントのサスペンションが沈み込んだ状態です。ですから少しの段差でも足が伸びた後の沈み込みでバンプストップにあたっているような

感じです。

よく言われる轍やトラック追い越しでの振れも怖いというほどではありませんが、横風はめちゃめちゃ怖いです。

4.コーナリング

割りと安定しています。車幅が1920mmといわゆるナローボディーが功を奏していると思います。飛ばす車ではありませんので、法定速度程度で走る範囲に置いては問題がありません。フロントが弱いので、強化することで更に良くなると思います(キャンサスで改善されました)。リアに増しリーフが入っているためか、リアのよじれなど、不安は感じません。

【キャンサス】

キャンピングカーの購入直後にマックレーさんに予約を入れていたのですが、納期がかかり年を越してから(購入後6,000kmほど走行して)の取り付けになりました。キャンサスはエア圧を調整することで前輪のストロークが確保され「バタン・バタン」といった底づきをした足の動きの悪さが改善し、しっかりとストロークが確保できた足になりました。キャンサスの圧力はフロント60PSI・リアは40PSIで様子を見ています。特にフロントのバネレートがアップすることで横風の影響も受けにくく、カーブなども安定し運転が楽になりました。直進時でもハンドル修正の回数が大幅に減ったことによる疲労軽減と風の影響が少なくなったことでリラックスして運転できるようになりました。キャンサスはガスショックでは決して味わうことの出来ないエアサス特有の角のとれた乗り心地です。硬さも車内から調整出来ますし取り付けてよかったと思います。ノーマルタイヤでこれだけ良くなることが実感出来ますから、ワイドタイヤなどに変更するとより効果が明確になるのではと思います。まだ、長距離は走っていませんが、走るのが楽しみです。

【最後に】

色々と書いてきましたが、マックレーの会社にも車にも共通するのは、懐の深さだと思います。使い方はその時々で異なりますが、なんとかなってしまう秀逸なパッケージングがデイブレイクにはあります。華やかさを求める人には向いていないと思いますが、道具として使い切るには素晴らしい車です。部品も壊れにくい、また壊れても入手しやすい確かなものが使われています。何よりも実際にキャンプ・車旅をした人が設計された車だからこそ、出せる味(使いやすさ)がデイブレイクにはあります。私の車はH21年式の中古車ですが、これから大切に乗って行きたいと思います。