バレンシア(ワンオフ仕様)にお乗りの東郷様からのレポートです。
レポートありがとうございます。(マックレー小川)



1 キャンピングカーのニーズ
 私のキャンピングカーの使い方は、夫婦プラス中型犬1匹の旅車です。(キャンプはしません)
 過去の経験を踏まえ、2台目のニーズを次のように考えました。
    ・自宅付近は道が狭く、サイズが小さく、回転半径が小さな車が必要
    ・周辺道路の制約から、車両の高さは3m以内
    ・ディーゼルはトルクが強く、燃費も良いが、静かなガソリンエンジンを選択
    ・雪道は、スキー以外にほとんど走らないことから2WDを選択
  ・エアコン、ティファール(電気ポット)等、電化製品の使用は必須であり、発電機が必要
    ・トイレは必要(いざという時安心)
  ・車内で料理はあま りしない。(ギャレー、冷蔵庫は最小限で良い)
   ・車内でシャワーは使用しない。(大きな水タンクとボイラーは不要)
    ・グレーウォータータンク(生活排水タンク)はとても便利なので必要
    ・収納はゴミ入れを含め、十分必要、特に服をかけるロッカーの必要性を痛感
    ・ベッドはバンクベッド(常設)に2人就寝を標準とし、仮設ベッドにより、最大4人就寝可能とする。

 初代キャンピングカーに10年以上乗った経験から、必要な装備と、そうでないものの区別が明確になりました。
ただし、キャンピングカーのニーズは使用者によってそれぞれ異なるので、上記はあくまで私の使い方によるものであることを、念のため申し添えます。
 
2 ベース車両考
 キャブコンのベース車両は、原則としてどの車種でも可能だと思います。
しかしながら、トヨタのカムロードは、現在のところほとんど唯一のキャンピングカー専用のベース車両です。
(最近いすゞからBe-camが出たようです。詳細は承知していませんが、後輪ダブルタイヤとキャンピングカー専用サスがついているようです)
 
カムロードの最大の特徴は、後輪をワイドトレッド化していることです。
キャンピングカーは一般的に背が高く、風圧を受け易いのですが、ワイドトレッド化により、車両の走行安定性向上に大きく寄与しています。(横風に強いです)
また、カムロード後輪の2枚構成リーフサスペンションは、トラック仕様とは違う、乗り心地の良さを提供しています。
 





 
 
10年ほど前に購入した最初のキャンピングカーは、
 タウンエーストラックベースのアウトドアジュニアでした。
 
 この車は、軽くて(車検重量1920Kg)、コンパクトで
 (全長4.68m)、取り回しの楽な(旋回径4.3m)
 大変良い車でした。
 
 また発電機搭載も魅力でした。
 
 一方でベース車が1トン車であるが故に、車体、エンジン(1800cc)
 に余裕が乏しく、特にブレーキ性能はやや不満でした。
 
 
  (大湊の釜伏山スキー場にて)
 
 


アウトドアジュニアはまだまだ乗れましたが、私の残りの寿命等を考えれば、そろそろ新しい車をと思いました。
そこで、今回はカムロードベース(2WD、ガソリン)で、アウトドジュニアとほぼ同じ寸法のコンパクトで軽い車を追求することにしました。
参考までに、カムロード (2WD、ガソリン)の車両諸元は次のとおりです。(筆者の推定を含む)
 全長 4.53m
 重量(未公表) 1650Kg(ダイナ、ジャストロー、ロングデッキ、1.25トン、ガソリン、4ATから推定)
  回転半径 4.9m
 タイヤ  195/70R15 106/104L(耐荷重950Kg/1輪)

3 バレンシア特注車
  私のニーズを満たす、カムロードベースのキャンピングカーは既製品には無く、マックレーさんにバレンシアの特注車(ワンオフ)を作ってもらうことにしました。
(ワンオフ車をリーズナブルに作ってくれるビルダーは、マックレーさん以外にほとんどありません。)
 
まず全長は4.7m以下で製作してもらうことにしました。
4.7mの根拠は、アウトドアジュニアとほぼ同じ寸法であることに加え、カムロードの原型のデュトロの標準車(ダイナロングデッキと同等)は4.69mであり、これを基準に考えました。何故ならトラックには、設計基準があるはずであり、基準値よりオーバーハングが大きくなれば当然バランスを崩すと考えられるからです。
 
次は車高です。
自宅の近くに、東海道線の下をくぐるガードがありますが、この高さが3mです。
よって車高は3m以内に納める必要があります。
バレンシアはルーフエアコンが標準ですが、これでは車高が3m以上になるため、ウィンドエアコンを採用することにしました。
これにより、ベンチレーター、自動追尾衛星アンテナ等の高さを含め、全高2.90mに収まりました。
 
全長を短くすれば、車両重量は必然的に軽くなりますが、さらに軽量家具を採用することにより、重量の軽減を図りました。
その結果、車検重量は2430Kgとなり、ベース車両が1650Kgと仮定すれば、架装重量は約780Kgです。
アウトドアジュニアの架装重量が、約600Kgであることを考えれば、極めて満足できる数値だと思います。
この重量なら、トルクの弱いガソリンエンジンでもそこそこ走ってくれると考えました。
 
全長を4.7mとすると、バンクベッドを除く室内の有効長(トラックの荷台部分マイナス壁厚)は3040mmとなります。
ダイネットキッチンに最低1900mmを取ると、残りは1140mmとなります。
 
一般的なキャンピングカーのトイレ室は独立していて極めて小さい部屋になっています。
アウトドアジュニアの場合は、トイレ室兼シャワー室であったため、水周りの関係上、独立させる必要がありました。
しかし、私は車内でシャワーを使いませんので、思い切って発想を転換し、トイレと収納と折りたたみベッドを1部屋まとめれば、比較的広く空間の有効活用が可能と考えました。
当初家内は、えー トイレの上に寝るの?と懐疑的でした。
しかし私の場合、2人旅が多く、折りたたみベッドを使うのはごく希ですし、ダイネットも容易にベッドになります。
そこで、あくまで臨時用として、トイレ室兼収納室の上部に、幅700mm、長さ1820mmの折りたたみベッドを作りました。

設計図の段階では、1140mm×1820mmのトイレ室兼収納室はショートボディーの車には、もったいないほど広く贅沢と感じました。
しかし、実際に使ってみて、2人+犬1匹の旅車として、大変使い勝手が良く、満足しています。
トイレ室には服ロッカーもあり、家内は着替えるのに便利だと言っています。
またゴルフバッグが無理なく積み下ろしできるのも魅力です。


   バンクベッドから見たダイネットとキッチン                                 入り口ドアから見たダイネット
 折りたたみベッド                      ベッド展開は簡単です。
     後部大型ドアによりゴルフバッグを簡単に出せます。 
 
 
 
 
服が掛けられるのは便利です。収納はたっぷりです。取っ手の中には布団を収納しています。
 
4 特注バレンシアの主要装備
 
(1) キャンサス
 過去の経験から、キャンピングカーの足回りの強化は極めて重要です。そこでキャンピングカー用エアサスペンションを4輪に装着しました。
スマイルファクトリーが製造販売しているキャンサスは、一言で言えば、ショックアブソーバーにエアサスを組み込んだもので、ショックの代わりに取り付けが可能です。
際に走ってみると、横風に強く、高速でも安定して走行できることに加え、乗り心地も驚くほど良くなりました。
特に前輪のキャンサスが極めて効果的であることを実感できました。
 
一般のキャンピングカーは、どちらかというと後輪により多くの荷重がかかりますが、特注バレンシアの車検重量は、前輪が1310Kg、後輪が1120Kgです。
燃料、真水タンク(約40L)やゴルフバッグ等荷物を満載して、ちょうど良い配分になります。
これはオーバーハングが極めて少ない、ショートボディーにした効果だと思われます。
よって前輪のキャンサスが極めて重要な役割を果たしているのでしょう。
 
キャンサスにはリリースバルブがあり、バウンド等突発的な大きな力が加わると空気が抜ける仕組みになっていて、エアリフトよりサスペンショ ンのストロークが大きく、柔らかな乗り心地を確保しています。
一方でカーブ等で継続的に力がかかる場合には、リリースバルブは作動せず、しっかり踏ん張り、スタビリティーの確保と両立させています。 キャンサスには、リザーブタンクが付属し、抜けた空気は瞬時に補充できるようになっています。
4輪キャンサスにより、カムロードの乗り心地は、後輪エアリフト+4輪強化ショック装備のアウトドアジュニアより格段に向上し、横風に対してもずっと強くなっています。
高速道路をより安全に走るためには、キャンサスもしくはエアサスは必要不可欠の装備だと思います。

(2) タイヤとアルミホイール
    カムロードの標準タイヤは、195/70R15 106/104Lですが、これは小型トラック・マイクロバス用に設計されたタイヤであり、耐荷重950Kgを確保するためには、空気圧を600Kpa入れる必要があります。
空気圧が高いのと、タイヤそのもの剛性、補強性が高いため、ゴツゴツした感じであり、乗り心地は良くありません。
それと195/70R15を装着したキャンピングカーは、バースト事故が数多く報告されています。
バース ト事故は新品タイヤではほとんど起こっていないことを考えれば、経年変化による劣化が著しいものと考えられ、劣化する前にタイヤ交換が必須だと思います。
 
計算上では195/70R15は、ショートボディーで軽いバレンシアには十分のスペックと言えますが、これをバン・小型トラッ ク用の215/70R15に換装すれば、ロードインデックスが107/105(耐荷重975Kg)に増えるだけでな く、空気圧は450Kpaで良く、乗り心地も格段に良くなります。
私の選択は、ダンロップのデジタイヤDV-01で、1本1万円以下の通販を見つけました。
ただし、215/70R15を履くためには、6.5Jのリム幅のホイールが必要であり、標準の5.5Jの鉄ホイールでは装着できません。
そこで6.5Jのホイールを探しましたが、なんと鉄ホイールより安いアルミホイールがありました。
なお、アルミホイールの場合、JML-T990規格、すなわち990Kg対応品を選ぶ必要があります。
(990Kg対応品でないと車検に通らないことがあるそうです)
私の選択は、ウッドベルジャパン製のタイサンで、4本で税込み、送料込みで3万円強の通販を見つけました。
せっかくアルミホイールにするので、オリジナルの鉄ナットではなく、クロームメッキのナットとセンターキャップを併せて買いました。
クロームメッキのナットは、1個100円程度で、計24個必要です。
センターキャップは、ウッドベルジャパン製ホイール専用のキャップがあり、1個1200円程度です。(残念ながらこのキャップはやや錆びやすいようです)
タイヤとホイール、ナッ トとキャップを自宅近くのトヨタのディーラーに持ち込み、オリジナルのほとんど新品のタイヤと鉄ホイールを処分してもらい、新しいタイヤを取り付けてもらいました。
ディーラーの工賃は決して高くなく(6300円)、むしろ専門店より丁寧な対応で満足できました。

 
 
 

  後で分かったのですが、マックレーさんは、処分したオリジナルの
 タイヤホイールが欲しかったとのことで、申し訳ないことをしました。
 (スタッドレスタイヤ用ホイールとして活用するそうです)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
タイヤを標準の195/70R15(外径653mm)から、215/70R15(外径679mm)にすれば、タイヤの外径が約4%大きくなります。
よって215/70R15では、4%ほど速度を少なく表示する計算になります。

4%の誤差ならば車検上は問題無いものの、速力を実際より少なく表示すると、スピード違反に問われる可能性があるります。
そこでGPS速度計を用い、速度表示を検証することにしました。
 
結果は80Kmで約4Kmほど、カムロードの速度計の方がGPS速度計より早く表示することが分かりました。
タイヤの外径を大きくしたことにより、速度表示は少なくなるものと思い込んでいましたが、意外な結果でした。
標準タイヤなら、もっと誤差が大きいと思われ、215/70R15で全く問題がないことを確認できました。
 
16インチのタイヤを選択すれば、耐荷重がさらに上がり、少々重い車でもより安心して走ることができるでしょう。
ただし、15インチと16インチとでは、タイヤもホイールも実勢価格は倍近くになります。
 
(3) 増しリーフ、強化トーションバーは不要です。
 

 前述のとおり、カムロードの後輪サスは2枚構成のリーフスプリングです。
 比較的柔らかいセッティングになっていて、乗り心地重視です。
 
 しかし、車両重量が増えると、2枚リーフでは沈み込みが大きく、増し
 リーフを付けるユーザーが多いようです。
 
 しかしキャンサスやエアリフトを付けるのなら、増しリーフは不要です。
 
 
 
 
 
 
 

前輪のサスはトーションバーですが、オリジナルは比較的柔らかいものです。
そこで青棒と称するトーションバーの強化版が市販されています。
青棒に換装すればカーブ等で前輪の踏ん張りが増し、人気だそうです。
 
キャンサスは、トーションバーの力をむしろ弱めるというか、緩める方がその効果が大きいようです。
従って、キャンサスを装備するなら、増しリーフはともかく、前輪用の青棒はその働きの阻害要因になります。

 (4) レカロシート
    カムロードのオリジナルシートは決して悪くはありませんが、長距離を走るとなると、もう少し良いシートが欲しくなります。
それと左サイドに肘掛けが無いのも若干つらいのです。そこでレカロのシートを付けることにしました。
 
レカロは、取付車両に合わせたシートレールの上に、好みのシートを取り付けるようになっています。
幸いカムロード(デュトロ、ダイナ)には、運転席取付用のシートレールの設定があるため、簡単に取り付けできます。
私の車の場合、ただ取り付けただけでは、シートレールが若干歪み、シートの前後のスライドが全く動きませんでした。
そこで歪みを是正するため、いくつかのワッシャーをかまし微調整が必要でした。

また、左肘掛けと中央席折りたたみノブとの干渉を防ぐためには、いくつものワッシャーをかまし、微調整を繰り返すというプロの技が必要です。
よってレカロは、経験豊富なプロショップで取り付けてもらうことを強くお奨めします。
残念ながら助手席にレカロは設置できません。

オリジナルシートとの比較は、一言で言えば楽です。肘掛けも最高です。
 
 
(5) 発電機
 デイブレイクの売りの一つは、発電機搭載の完全自立型(オール電化)です。
バレンシアは、ヤマハEF2800iSEの標準発電機と、それを改造し特別に設計されたボックスに収め、床下に搭載出来るようにした床下発電機を選択できるようになっています。
床下発電機の場合、キャ ンピングカー室内に発電機スペースが無いことから、有効な空間利用ができるだけでなく、発電機の発停を遠隔操作でき、タイマーオフのような便利な機能もあります。
さらにガソリン車の場合、発電機の燃料を車両の燃料タンクから直接供給できるため、燃料補給の煩わしさがありません。
(標準発電機でもガソリン車なら、車両の燃料タンクから直接供給できるオプションがあるそうです)
 
私は、それらを十分承知の上で、床下発電機でなく標準発電機を選択しました。
床下発電機の場合、十分に冷却性能を考慮したボックスに収められているものの、オープンスペースに置いた発電機と同等には扱えません。
特に高負荷運転終了直後にエンジンを切ると、十分な排熱が行えず、発電機に少なからず悪影響を及ぼすだけでなく、高温環境下に燃料のガソリンをさらすことになり危険です。 
そこでバレンシアでは、 床下、標準発電機に関わらず、高負荷運転終了後、20〜30分は冷却運転をすることを奨励しています。
(ルーフエアコンの使用は高負荷運転になるそうです)
さらにその際、エコスロットルをオフにするよう呼びかけています。
エコスロットルとは、発電機の回転数を抑え、低回転でも十分な発電能力を確保し、燃費の改善と静粛性の向上を図るためのものです。
しかし発電機の強制空冷能力はエンジンの回転数に比例するため、回転数を上げる、すなわちエコスロットルをオフにした方がより効果的に冷却できます。
 
前車(アウトドアジュニア)ではホンダのEU28iSを使用していましたが、これはヤマハのEF2800iSEと全く同等の発電機です。
アウトドアジュニアでは、負荷運転後の特別な冷却運転は求められていませんでした。(短時間の冷却運転は当然必要で す)
その理由は2つありま す。
一つは、ジュニアの発電機室の床は吹き抜けになっていて、バレンシアの発電機室よりオープンスペースに近い環境で使用できました。(代わりに騒音はやや大きい)
もう一つ肝心なことは、発電機のオイルに高品質オイルを使うよう指定されていたことです。
ヤマハのEF2800iSEもホンダのEU28iSも、SAE10W-30が指定標準オイルですが、アウトドアジュ ニアではレッドラインの5W-40(完全合成油)を使用するようになっていました。
レッドライン5W-40は、10W-30より、低温、高温性能ともに良く、鉱物油とは違う高性能合成オイルです。
またオイル交換を頻繁に行うよう推奨され、発電機に付けられたアワーメーターで時間管理ができるようになっていました。
この結果、エコスロットルをオンにし、高負荷運転(エアコン、レンジ等を同時に使用)後、数分でエンジンを止めても、10年以上にわたり、発電機に問題はありませんでした。
誤解を避けるためあえて書きますが、高性能オイルを入れれば冷却運転が必要ないと言っているのではありません。
極めて発電機が高温になる使用環境においては、高性能オイルをより頻繁に交換した方が、発電機にとって良いことですし、アウトドアジュニアとバレンシアの発電機室は冷却環境が異なり、バレンシアでは冷却運転が必要なのです。
 
私が、標準発電機を選択 したのは、冷却環境が床下発電機より良いのと、比較的頻繁なオイル交換には標準発電機の方が便利だからです。
余談ですが、車のエンジ ンもオイル交換を頻繁に行うと(高性能オイルでなくても良い)、10万キロぐらいから差が出てきます。

 
標準発電機の場合、オイル交換は簡単にできます。オイルはレッドラインかモチュールを使っています。

(6) ウィンドエアコン
 グリーク480でも採用しているコロナのウィンドエアコンは、正確には暖房機能が無いため、クーラーと言うべきでしょうが、除湿機能等があるため、エアコンと称しています。
当初非力なウィンドエアコンで酷暑に耐えられるか心配でしたが、冷房能力は申し分なく、むしろ静かで軽く、良い選択であっ たと思います。(重心の低減にも効果的)
消費電力は675Wで、 インバーターは搭載していないため、オンかオフの切替です。
カタログ上、起動電流は26Aですが、16Aの発電機でも運転できるようです。
ウィンドエアコンの問題点は、バンクベッドを引き出し式(3人就寝)にすると干渉し、設置できません。
私の特注バレンシアは、2人寝のため問題ありませんが、3人寝にする場合は、どうしてもルーフエアコンにする必要があります。
また、もともと車載用のルーフエアコンとは異なり、家庭用ウィンドエアコンを、車で利用して大丈夫か心配ですが、アウトドアジュニアでは富士通の家庭用エアコンを、夏も冬も走行中を含め10年以上使いましたが、全く問題はありませんでした。
例えウィンドエアコンの調子が悪くなっても、5万円以下で買い換えられることを考えれば、耐久性はあまり気にならないで済みそうです。
 
なお、暖房はベバストのFFヒーターを使います。こちらは発電機を回さなくてもバッテリーで一晩問題無く動きます。
 
(7) オーディオ
 音楽好きの私は、キャ ンピングカーの中でも良い音が欲しいのです。限られたスペースで最も大切なのはスピーカーです。
私はタイムドメインミニという小型スピーカーを天井に取り付けて聴いています。
 
 右はスペースがあるのですが、左スピーカーを取り付ける場所がありません。
 ちなみに、スピーカーの横にあるのがウィンドエアコンです。
 
 
 
 
 
 


 
 
左スピーカーは、電子レンジ横の扉を、スピーカーの大きさに合わせてくり抜き、扉の中に入れましたが、音響上も見栄 えも問題なく、満足しています。
タイムドメインミニはア ンプ内蔵ですが、外付けアンプで鳴らした方が音が良いようです。
 
 
タイムドメインスピーカーはビル・ゲイツも聴いているそうです。小型のスピーカーでは圧倒的に良い音です。
 
(8) バックモニターとハンドルスピンナー
 バックモニターのディ スプレーをバックミラーに取り付けてもらいました。
最新のBMWは、光学バックミラーの代わりにカメラとディスプレーを使っていますので、少しだけその雰囲気です。
バックミラー型モニターも市販されていますが、解像度が良くなく、お奨めではありません。

 
ベースはトラックなので、ハンドルは乗用車より水平に近く、ハンドルスピンナーと取り付けました。
普通の運転では使いませんが、駐車する時等はとても便利です。
 
(9) ゴミ入れ
 ゴミはどこでも敬遠されます。「持ち帰ろう、想い出とゴミ」というキャンペーンもあり、ゴミ箱を作ってもらうことにしました。
ちなみに前車ではゴミ箱を車体後部にくくりつけていました。
 
 
ゴミ箱の底は穴が空いていて、生ゴミでもOKです。その代わり雨や水が入ります。
これは見た目より大きく、10日分のゴミ程度なら楽勝です。
 
(10) グレーウォータータンク(生活排水タンク)
 ゴミ箱の反対側に50Lのグレーウォータータンク(排水タンク)をつけてもらいました。
 
 写真では見にくいのですが、このタンクも私の車の形状に
 合わせて作ってもらった、ワンオフです。
 
 車には、真水タンク(19L×2)とグレーウォータータンク(50L)
 とトイレのブラックウォータータンク(17L)があります。
 
 真水タンクは短い旅行なら19Lで十分です。
 
 過去ガソリンスタンドで給油する際、真水を補給してもらった
 ことが何回かありましたが、料金を請求されたことはありません。
 
 ちなみに水道料金は下水道料金を含め1トン2000円未満
 だと思われ、20Lなら40円程度です。
 
 グレーウォーターは、下水や排水溝があれば簡単に捨てられます。
 
 ブラックウォーターは帰宅後トイレで捨てます。
 
 
 



5 インプレッション等
 バレンシアワンオフは、マックレー渡辺社長と何回も相談させて頂き、極めて満足できる車ができました。
もくろみどおり、コンパクトで軽く、ガソリンエンジンでもストレス無く走れます。
またキャンサスやタイヤの交換等足回りの強化により、乗り心地や横風安定性も十分な性能を確保することができました。
ショートボディーながらも、服ロッカーやゴルフバッグ置きを始め、十二分な収納があるのも魅力です。
まさに私にとっては理想の車となりました。
計画から納車まで1年弱を要しましたが、この間、ワンオフならではの面倒なお願いを何回も聞いて頂き、その都度図面を修正して下さった渡辺社長や小川氏にこの場を借り、深く感謝申し上げます。

 
 
-- 
            東郷行紀