夏休みともなれば 観光地や高速道路には多くのキャンピングカーに乗った家族連れが見受けられるものです。ところが2010年の夏は異変が起きて、キャンピングカーやキャンピングカーと思えるバンコンの姿もほとんど見られなくなりました。

 

遠出されているマックレーのユーザー様方に尋ねても「今年は本当にキャンカー見ないね」「どうしてだろう」「ほとんどのキャンカーはエアコンが着いてないからね。熱中症で死んじゃうよ。東北辺りでも夜なんか気温が30度以上の熱帯夜でしょう。エアコン無しで寝られるはずがない。みんな どうしているのかな」と、こんな会話が続きます。

 

1年の内でも年末年始、5月の連休、夏休みなどは キャンピングカーで出られる一番楽しい連休です。その中でも夏休みは期間も長く、天候も安定しているので キャンカー乗りには最上の季節となるのです。

 

「地球温暖化」と言われて久しいですが、現実として氷河が溶け出し、姿を留めなくなるなってきている様子ですし、ロシアのツンドラ地方も同様らしいです。南極・北極だけでなく 海水温度も上昇して天候異変をもたらし、「亜熱帯化する日本列島」と言われています。

2010年の夏だけが暑かった、となるのでしょうか? 年毎の高低差はあると思いますが、着実に気温上昇は続くと思うのです。数年後から振り返れば 2010年の夏は記録的な猛暑続きと云われましたが 今から思えばまだ涼しかったのだね、と考えられないことは無いと思えるのです。

 

2010年夏は 70日間も真夏日が続き 各地で熱中症による死亡者が激増している事実をふまえ、身を守るためにもキャンカーによる旅行は差し控えられたのだと思うのです。出たくとも出られなかったのが現実でしょう。

 

地球温暖化を止める方向に 私たちができることから実行しなければなりませんが、自分の命は自分で守らなければ だれも考えてはくれません。自由な車旅を続けるためには、真剣にそのことを考えるべきではないでしょうか。

 

キャンピングカーとしての一回目の購入検討では キャンピングカーでの生活経験が無い訳ですから、価格が安いか 高いかとの価値判断となってしまうのです。そう考えられても無理は無いのです。乗用車を選ぶ基準から見れば 車格・スタイル・エンジン・サイズ・内装・使い勝手なのですが、キャンピングカーは乗用車とは似て非なるもの、移動する「生活する場」なので、「家」としての機能がどれほど考慮されているのかを見ないと 実生活でギャップが生じてしまうのです。

 

ただ、仮眠できる機能だけの「簡易キャンパー」で目的は十分に達せられると決めている方には、必要条件が異なるのでその限りではありませんが。

 

マックレーの代表は自分が使う目的で、キャンピングカーを設計してその車を展示車としてこの業界に入ったわけですが、マックレーの本拠地である京都は冬の底冷え・夏の蒸し暑さでは有名な都市で、その時期に観光に来られて暑さ寒さに堪えられるのです。私共はこの京都に住んで、空調対策がいかに大切か、身に沁みて感じ取っているのです。

 

早くから現在のバンコンの元車であるライトバン・1BOX車を改造した簡易キャンパーで旅したりしていたのです。バンコンタイプは日常の足代わりと兼用で使え、短期間で小人数向きの小旅行には向いています。ただ、収納不足以上に 体に堪えるのは 目には見えない高温・多湿だったのです。暖房は着込んでカイロでも使えば何とかなり、FFヒーターがあれば最良の暖房が手に入れられます。

 

しかし、高温・多湿の夏場はいくら着ている衣服を脱いでも限度があります。蚊が入らないネットを付けて窓を開いても、風が無ければ空気は入れ替わりませんし、外気温度が高い熱帯夜となればクーラー無しでは寝られないので、車の冷房を使うしか方法はないのですが、室内が広いキャブコンでは バンクベッドやリアベッドまで冷気が回らないのです。アイドリングストップの地域もありますので注意しましょう。

 

キャンピングカーの先進地 ヨーロッパやアメリカではどうでしょうか?

ヨーロッパは緯度的に北極に近いので冷房より暖房が重視され、FFヒーターがあれば空調は解決できます。

 

アメリカ大陸は広く暖房・冷房ともに空調設備が必要なお国柄です。アメリカのキャンピングカーと言えば必ず キャンピングカー専用のルーフエアコンと大型発電機がセットで搭載され、猛暑の砂漠地帯でも熱中症にならずに旅行ができるように考えられています。

設備が整い保安も良いキャンプ場が都市の近くにもあって、外部から電気を取り入れれば、発電機無しでエアコンが使える環境が用意されています。

 

日本でのキャンプ場は都会から離れた山の中が多く、キャンプのためのキャンプ場で、旅行滞在のためのキャンプ場はありません。子供たちを連れ立ってキャンプに行く目的のキャンピングカーなら、電源サイトを使えるので、発電機は無くとも小型家庭用クーラー程度なら使える場合もあるのです。(ブレーカーが落ちることも)

 

旅行用キャンピングカーとして使われるのなら、長期滞在には適しませんが、道の駅や高速パーキングを多く使われます。公共の施設なので それなりのマナーが必要ですが、発電機を使った冷房で快適に旅が続けられます。

 

一口に冷房と言いましても、キャンピングカーの冷房は奥が深いのです。エアコンの動力元には交流100Vが必要、バッテリーの力ではとても力が及ばないのです。仮に多くのバッテリーを使ってインバータ(DC12VをAC100Vに変換する機械)を動かせても、バッテリーは蓄電池。つまり貯めた電気を使えば、貯めなおさなければ次に使えないのです。走行充電と言いましてもそんなに簡単に早く貯まりません。やはり発電機が必要なのです。

 

発電機の種類で言えば、電気に無駄の無いサイン波が主流(家庭と同じ電気の質)。主に1600W2800W1600Wは手で引っ張ってエンジンを掛けるタイプ。何とか持ち運びも可能。しかし音は2800Wより少し大きい。2800Wはセルキーが付いているので女性でも使える。しかし重いので据付でなければ使えない。大型キャンピングカーでは4000W5500Wクラスを使います。色々とメリット・デメリットがあるわけです。

 

エアコンも色々あります。一番簡単なのは家庭用ウインドクーラー、次は家庭用セパレートエアコン、屋根の上に乗せるルーフエアコンの順です。これにもメリット・デメリットがあるわけで、

家庭用ウインドクーラーのメリットは まず安い。故障しても簡単に外せる。取替えも簡単。スペースはクーラー分の容量だけ。これも大きなメリットです。デメリットは取り付け場所が限られる。能力はルーフエアコンには及ばない。しかし発電機は1600WでOK。ここが魅力なのです。

 

家庭用セパレートエアコンのメリットは冷房音が静か、暖房付もある。設置場所はレイアウトに合わせやすい。低価格である。デメリットは室外機サイズが大きく、収納スペースが減ってしまう。風向きは真下で 室内前後の端まで風を送れない。風量が乏しく猛暑には向いてない。室内から水が漏れやすい、等です。日本人的発想で、東北・甲信地方では使いやすいです。ただ 収納スペースが犠牲になるのはキャンカーにとって大問題で、バンコンタイプに不満を持たれる原因でもあるのです。

 

ルーフエアコンのメリットはキャンピングカー用に作られている点です。冷房能力が高く、さらに風量が豊か、前後に風を送り出すので、広い室内でも全体を早く冷やせる。冷房能力も種類が多く、発電機能力で選べます。エアコンの本体は屋根の上に乗せるので、貴重な収納スペースを無くさなくて済む。故障が非常に少ない。これは砂漠の真ん中で故障すれば命取りになります。故障してもパーツの取替えで直せる場合がほとんど。猛暑の熱中症対策・熱帯夜には強力に応えてくれます。デメリットは小型のルーフエアコンでも最低2800Wの発電機が必要。天井部が重くなる。風量が多いだけに風の音が大きい。能力があるだけに家庭用エアコンより数倍高いです。

 

日本で使われるルーフエアコンはアメリカ製の中でも最小クラスのコールマンブランドのポーラカブで、専用のヒーターユニットで暖房にも対応できます。これ以上の能力のエアコンは、2800W発電機では力不足となります。

 

 アメリカではクラスB(日本のバンコンタイプ)には小型の横型ウインドクーラーが使われています。家庭用では家庭用エアコンが使われていますが、キャンピングカーには使われません。キャブコンタイプはルーフエアコンのみです。これはキャンピングカー文化の長い歴史の中で、実用性を重視して生活の中から絞り込まれた選択だと思います。

 

今までのキャンピングカー選びは分かり易い外観や内装中心でしたが、これからの時代は「亜熱帯ニッポン」「猛暑」「熱中症」「熱帯夜」がキーワードとなります。これらを中心に考えるべきだとマックレーは提唱します。


マックレー展示場
京都市左京区静市野中町404
TEL:075−200−3709
FAX:075−200−3710



お客様のご意見をお聞かせ下さい。
24時間・365日受付
メール